■服のシワの描き方■
■服のシワの描き方■
このページでは服のシワの描き方について書いていきます。
私の場合、体のラインにピッチリと服を描いてしまうことは少なく、
リアルとピッチリの中間くらいを狙うことが多いので、その描き方で話を進めたいと思います。
まず、服のシワを描くにあたって念頭に置いておきたいのが、体の凹凸です。
上の絵は、ボールに布切れをかぶせた時どういう風にシワができるか描いたものです。
(手元に丁度いいボールがなかったので、想像で描いてます。^^;
なので、だいたいの傾向をつかむためのものと思ってください)
こういう風に、丸いボールに四角い布をかぶせると、布の余った部分がシワとなります。
また、絵を見て分かるとおり、シワというのは出っ張った部分にはあまり出来ません。
この絵だとちょっと説明不足ですが、要は出っ張った部分には布が引っ張られ、逆に凹んだ部分は布が余ってシワが密集しやすいわけです。
そして、シワを描く時にもう一つ念頭に置いてもらいたいのが、シワはひし形の集合体になりやすいということです。
上の絵も、チラホラとひし形っぽいのがありますね。
例えば、ひし形を利用した描き方はこんな感じ。
シャツとかでやると、自分の場合、服が濡れた感じになってしまうので、
スーツのような少し厚めで硬い生地を例にします。
こうやって、シワの出来やすい部分にひし形を描き込んでいくと、厳密な凹凸のイメージがなくてもそれっぽくは仕上がります。
ただ、このスタイルの場合、あまり線画段階でシワのりんかくを描きこむと、この絵みたいに微妙になることが多いので、
線画では必要最低限にとどめ、主に影付けでシワを表現します。
薄地の長袖シャツだとだいたいこんな感じ。
さっき、シワはひし形になりやすいと言いましたが、
体の動きに合わせたシワは細長いものが多くを占めるため、あまりひし形に見えないことも多いです。
ただ、細長いひし形(と言うか、三日月型?)にはなるので、ある程度意識する必要はあります。
また、シワはわき、ひじ、腰などの部分にはシワが密集しやすく、
体の出っ張りや凹んだ部分同士を結ぶ感じに出来る傾向があります。
(出っ張り部分にシワは出来にくいですが、シワの起点あるいは終点にはなります)
なので、私の場合、右の画像の丸印の位置同士を結ぶ感じで緩やかなカーブを描くことが多いです。
あとは、シワは体のラインに沿って『這うような』感じに出来るので、そこも意識するといいですね。
ただ、まあ、漫画絵として描くので、あまりリアルに細かいシワとかは気にせず、
「大体この辺にこんな感じに出来る」とルールを組み込んでしまうのが楽かと思います。
特に服は、スタイルをよく見せる関係上、嘘を押し通す場面も多いです。
こうして体をひねらせたり腕を上げたりすると、ポーズに応じて服のシワが出来ます。
特に挙げた方の腕のわきの下あたりから、胸・腰や腕にかけてシワができやすいです。
この場合も、基本的には凹んだ部分にシワが密集しやすく、
さっきと同様、凹凸のポイント同士を結ぶようにシワの線が出来ます。
また、多少厚みのある服になるとシワが太くなり、緩やかなカーブを描きます。
この絵の場合だと、秋服〜冬服あたり、だいたいトレーナーかそれより薄いくらいの厚さでしょうか。
この手の服の場合は、ただ体に這わせるようにシワを付けるだけでなく、 服のだぶつきも考慮するといい感じです。
こういうだぶついた服を描く時も体のラインを意識する必要があります。
実際、この服のりんかくが体のりんかくに沿って描かれている部分は主に腕の上側や肩で、下はだぶつきで腕と服の線が一致しないのですが、
体を透かして見るイメージは影付けするときに重要になってきます。
影付けすると大体こんな感じ。
例えば腕の部分では、ある程度腕の形が分かるように影付けをします。
この辺、写真や実物を観察すると分かるかと思いますが、
体を服で包んでいても、影の付き方やシワの出来方などで体のラインは大体分かるものです。
また、シワの凹凸で凸の部分は明るめに塗ります。
厚手の服の特徴は、さらにシワが太い、シワの数が少ない、丸っこい感じになる、などがあげられます。
まあ、要は全体的にモコモコした感じに描けばOKということ。
ここで注意したいのが、厚手の服だと、体のラインが分かりにくいということです。
腕や腰の太さなど、シワの密集する部分でわずかに体のラインが分かる程度でしょうか。
そこは妄想力を発揮して、頑張って中身を透かして見て下さい。
影付けでも太いシワを意識して塗ります。
体の凹凸は何とか分かる程度にすると、厚手の服らしくなります。
また、こういうモコモコした服の場合、光を柔らかく反射するので、
影のコントラストをあまりはっきりさせず、多少ボヤ〜っと影を塗るといいかもですね。
生地の厚さとかシワの太さとか細かく突っついたけど、
まあ、だいたいこういうのは「丸く描く」「厚い感じに描く」「ピッチリ描く」などのイメージを念じて描いてれば、それっぽく仕上がります。
あとは慣れですかね。^^;
最初は、シワ同士を自然につなげてくのに苦労するかと思います。
一応、ポイントのまとめとしては、
・体の凹凸やひねりからシワになる部分を決める
・体の周りを這うように滑らかなカーブで描く
・ひし形や三日月形を重ねる
始めのうちはどこにどういうシワが出来るのか、密集ポイントに注意しながらよく観察して格闘してみてくださいな。
慣れた頃には自分流の描き方が生まれるかと思います。